モノ作りと知恵作りとライセンシング

Making Things, Making Knowledge, and Licensing >> English translation

「日本が今大不況になっている。その大きな理由はモノ作りにこだわったことなんですよ。やはり日本は新しい知恵作りに入らなきゃいけない。」

元経済企画庁長官の堺屋太一さんは最近、文化放送の大竹メインデッシュというラジオ番組でそう語った。

堺屋さんによると、現代のグローバルな時代には、付加価値の高い製品はひとつの国だけで開発されるのではなく、むしろ様々な国の専門分野を生かして分業開発されているということです。

例えば、ある先端技術製品を作る時に、ビジネスモデルはアメリカ、デザインはフランス、技術開発はドイツ、部品製造は中国、組み立ては台湾、販売戦術・マーケティングはロンドン、金融はシンガポールでやるなど。国境がなくなって、東京と中国の境は東京と神奈川の境と同様になっているということです。

グローバル時代には、製造の部分は中国・インドなど低い賃金の国にアウトソースを余儀なくされるので、先進国の経済成長を促進するためには、モノ作りじゃなくて、付加価値の知恵作りの方が大事になるというわけです。

堺屋さんによると、日本は昔からモノ作りと産業技術の重要さを強調しているけれど、それだけでは不十分です。大竹アナウンサーの日本の会社の技術へのこだわりこそは日本経済の成功の鍵という意見に対し、堺屋さんは日本の会社が素晴らしい性能を多く備えた携帯電話とパソコンを製造しても、日本以外には、あまり売れていない事を指摘し、世界の消費者は必ずしもそんな技術に凝った機械を必要としない。日本の会社は技術へのこだわりのせいでそういう事実に気付いていないと言っています.それはガラパゴス現象といわれています。

その代わりに、日本は知恵作りに焦点を当て、グローバル化の工程分業を利用し、技術をテコとして使い、グローバルビジネスの本社のような役割を演じるというわけです。

私は堺屋さんの意見に賛成です。日本の高い教育水準と労働意欲をバックに、知恵作り・マネジメントを強調することによって、グローバル経済のリーダーの役割を続けることができると思います。

例えば、前の携帯電話の例で言うと、アップル社のヒット製品であるI-Phoneはそのよい例です。デザイン・ソフト・マーケティングはアメリカで考案・展開され、部品は日本、中国などアジアの国で購入され、組み立ては台湾で行われ、など。ハードの技術と製品の性能の面だけで見れば、I-Phoneは普通の日本製の携帯電話より劣っていますが、優雅的、直感的な操作性においてはすごく魅力があります。どうしてかというと、アップルは製品の性能だけではなくて、ビジネスモデルと情報とデサインの知恵に基づいて製品を着想したからです。

そのおかげで、I-Phoneの最新型が売り出された際、欧米の消費者はもとより、日本の消費者も行列を作って買いました。実際は、I-Phoneのおかげで、ソフトバンク社が二年連続携帯電話市場の首位をキープしました。たぶん堺屋さんは日本の会社がアップル社のようなやり方を目指すことを期待しています。

堺屋さんは触れませんでしたが、知恵作りに不可欠となるのがライセンシングやその他の契約書です。契約書を通して、技術、金融など、産業の資源は国境を安全で容易に移動します。中国やインドにたくさんの低い賃金の労働力があっても、そういう戦略を実行することにより、日本は不況を乗り越え、経済競争に必ず勝つと思います。

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